屋外広告物許可申請の費用はいくら?自治体手数料と行政書士報酬の目安

屋外広告物許可申請の費用はいくら?自治体手数料と行政書士報酬の目安

結論から言うと、屋外広告物許可申請の費用は「自治体に納める申請手数料」「行政書士に支払う報酬」の合計です。案件によっては、さらに図面作成費や現地調査費が加わります。

そしてこれは全国一律ではありません。看板の種類、面積、数、申請先の自治体、必要書類の有無によって金額が変わります。

看板会社の見積担当者からよく聞くのは、こんな悩みです。施工の見積りに申請費用をどう入れればいいか分からない。自治体ごとに手数料表がバラバラで、看板の数が増えるとすぐ計算が複雑になる。行政書士から出てきた見積りに何が含まれているのか、正直よく分からないまま契約している。この記事では、そうした「見積りの中身」を整理していきます。

Table of Contents

屋外広告物許可申請にかかる費用の全体像

まず押さえておきたいのは、「自治体へ払うお金」と「専門家へ払うお金」は別物だということです。この2つを混同すると、見積り比較そのものが成立しなくなります。

費用項目支払先主な内容発生する主なケース
自治体申請手数料自治体新規・更新・変更許可の手数料許可申請が必要な場合
行政書士報酬行政書士調査・書類作成・提出・補正対応申請代行を依頼する場合
図面作成費行政書士・設計者・看板会社等位置図・配置図・立面図・意匠図等図面が不足している場合
現地調査費行政書士等設置状況、寸法、周辺状況の確認現地確認が必要な場合
点検費用点検者・看板会社等安全点検、点検報告書更新申請等で必要な場合
実費各機関郵送、証明書、交通費等案件ごと
別許可費用道路管理者等道路占用許可、工作物確認等他法令手続が必要な場合

自治体へ支払う屋外広告物許可申請手数料

屋外広告物法は全国共通の基本法ですが、実際の許可基準や手数料は都道府県・指定都市・中核市などが条例で個別に定めています。そのため、次のような違いが自治体ごとに生じます。

  • 広告物の種類ごとに手数料区分が分かれている場合がある
  • 表示面積(㎡)で計算される場合がある
  • 個数・基数単位で計算される場合がある
  • 表示期間(短期・長期)によって金額や許可期間の基準が変わる場合がある
  • 新規・更新・変更で取扱いが異なる場合がある
  • 申請先窓口や納付方法(現金・納付書・オンライン決済等)も自治体ごとに異なる
ご注意:屋外広告物の許可申請手数料と、屋外広告業の登録手数料は別の制度です。登録手数料を許可申請の相場として扱っている情報も見かけますが、混同しないようご注意ください。

自治体手数料が変わる主な要因

看板の種類

広告塔、広告板、壁面看板、突出看板、自立看板、電柱広告、はり紙、立看板、広告幕、アドバルーンなど、種類によって手数料区分が分かれるのが一般的です。ただし呼び方や分類は自治体により異なるため、名称だけで判断せず、条例上の区分を確認する必要があります。

表示面積

1面の面積、表示面の合計、両面看板の扱い、複数広告物の合算方法は自治体ごとに計算ルールが異なります。同じ看板でも計算方法次第で手数料区分が変わることがあるため、申請先の条例で確認が必要です。

看板の数

同じ敷地内に複数の看板がある場合、看板ごとに手数料が加算される仕組みが一般的です。数が増えるほど、見積り前の正確なカウントが重要になります。

許可期間

短期間だけ表示するはり紙・立看板等と、長期間設置する広告塔・広告板等とでは、手数料や許可期間の基準区分が分かれている自治体があります。

新規・更新・変更

更新申請や変更申請でも手数料が必要になる自治体がある一方、届出のみで手数料が発生しない手続もあります。新規と同じ感覚で予算取りをすると、想定とずれることがあるため、申請区分ごとに確認しておくと安心です。

自治体別の手数料例

「結局いくらなのか」を具体的にイメージできるよう、公式資料で確認できた2自治体の例を紹介します。ただしこれは他地域への当てはめができる相場ではありません。あくまで「自治体によってここまで違う」ことを示す実例としてご覧ください。

自治体(条例)広告塔・広告板の手数料例備考・出典
埼玉県屋外広告物条例が適用される市(例:東松山市)1平方メートルにつき350円、許可期間3年以内(広告板・広告塔の例)東松山市公式サイト「屋外広告物条例」ページで確認(2026年7月確認)
大阪市(大阪市屋外広告物条例)広告塔・広告板は5平方メートルまでごとに950円(有資格の管理者を設置している場合は許可期間3年以内、それ以外は2年以内)大阪市屋外広告物条例別表(第19条の3関係)で確認(2026年7月確認)

このように、同じ「広告塔・広告板」というカテゴリでも、計算単位(1㎡ごとか、5㎡ごとか)も金額も異なります。全国チェーンで複数自治体に申請する場合、この差を前提に予算取りをしておく必要があります。

なお、さいたま市では道路上に突き出す広告物を設置する場合、屋外広告物許可とは別に道路占用許可の手続と占用料が必要になると案内されています。突出看板を扱う際は、屋外広告物の手数料だけで完結しない点に注意してください。

自治体ごとの最新の手数料表・様式・納付方法は、必ず管轄自治体の公式サイトまたは窓口でご確認ください。本記事の金額は確認時点のものであり、条例改正により変更される場合があります。

行政書士報酬の目安は何で決まるか

行政書士報酬には、法律で定められた全国統一の料金表がありません。事務所ごとに報酬体系が異なり、次のような要因で金額が変動します。

  • 申請先の自治体(自治体ごとの調査・様式対応の手間)
  • 新規・更新・変更・除却のどれに該当するか
  • 看板の種類・数・表示面積
  • 図面の有無
  • 現地調査の要否
  • 自治体との事前相談の必要性
  • 禁止地域・許可地域等の調査量
  • 補正対応の回数
  • 急ぎ対応かどうか
  • 複数店舗・全国案件かどうか
  • 更新期限の継続管理を含むかどうか
  • 道路占用許可など他法令確認の要否

つまり「同じ屋外広告物許可申請」でも、案件の中身次第で作業量がまったく違うということです。だからこそ見積りは、金額の大小だけでなく何が含まれているかを見る必要があります。

行政書士報酬に含まれる業務

一般的に、行政書士報酬には次のような業務が含まれ得ます。

  • 管轄自治体の確認
  • 条例・許可要件の調査
  • 必要書類の案内
  • 申請書の作成
  • 書類整理
  • 自治体への提出
  • 軽微な補正対応
  • 許可証の受領
  • 依頼者への結果報告

ただし、これはあくまで一般的な範囲です。事務所ごとに報酬に含まれる業務の範囲は異なるため、見積書に何が含まれているかを個別に確認する必要があります。

別料金になりやすい業務

次のような業務は、報酬に含まれず別料金になることが多い項目です。事前に確認しておくと、後からの追加請求に驚かずに済みます。

  • 現地調査(寸法測定、写真撮影を含む)
  • 図面作成、CADデータの修正
  • 所有者承諾書の取得支援
  • 安全点検、点検報告書の作成
  • 道路占用許可、道路使用許可
  • 工作物確認申請
  • 景観条例・地区計画等の追加確認
  • 遠方への交通費
  • 急ぎ対応
  • 大幅な補正・再申請への対応
  • 更新期限の継続管理

看板業者様へ

屋外広告物許可申請の費用は、設置場所、看板の種類・数、図面の有無によって変わります。施工見積りへ申請費用を組み込みたい看板会社様には、必要業務を整理したうえで個別見積りをご案内します。

屋外広告物申請の費用を確認する

費用を計算するモデルケース

具体的な金額ではなく、「何が合計されるか」のイメージを持っていただくためのモデルケースです。

ケース1:単店舗・看板1基・図面あり

自治体手数料に加え、行政書士報酬(調査・書類作成・提出・補正対応分)、郵送等の実費が費用構成の中心になります。図面が揃っているため、図面作成費や現地調査費は発生しにくいケースです。

ケース2:看板複数・図面不足・現地調査あり

自治体手数料(看板ごとに加算)、行政書士報酬、現地調査費、図面作成費、実費が合算されます。看板の数と図面の準備状況によって、ケース1より作業量・費用ともに増える傾向があります。

ケース3:全国チェーン・複数自治体

各自治体の申請手数料、案件ごとの行政書士報酬に加え、複数拠点をまとめて管理する場合は一括管理費・更新期限管理費・現地協力者等の費用が加わることがあります。自治体数が増えるほど、費用構成が複雑になります。

自社申請と行政書士依頼の費用比較

比較項目自社で申請行政書士へ依頼
自治体手数料必要必要
行政書士報酬不要必要
社内人件費発生削減しやすい
自治体調査自社対応委託可能
書類作成自社対応委託可能
補正対応自社対応契約範囲で対応
図面準備原則自社別途必要な場合あり
全国案件負担大一元化しやすい
更新管理自社管理継続契約で委託可能

「行政書士へ依頼した方が必ず安い」というわけではありません。自社申請なら行政書士報酬はかかりませんが、社内工数・担当者の人件費・手戻り対応・その間の営業機会の損失も含めて考える必要があります。案件数が少なく社内に経験者がいる場合は、自社対応も十分な選択肢です。

屋外広告物申請の費用が高くなりやすいケース

  • 看板の数が多い
  • 複数自治体への申請が必要
  • 図面が不足している
  • 現地確認が必要
  • 他人所有地や道路へ突出している
  • 景観地区・禁止地域等の確認が必要
  • 工作物確認等の別手続が必要
  • 設置後の事後対応である
  • 申請内容に大幅な補正が必要
  • 短納期である

費用を抑えるために依頼前に準備するもの

資料がそろっているほど見積り精度が上がり、追加作業を減らしやすくなります。依頼前に、次の項目を整理しておくことをおすすめします。

  • 設置場所の住所
  • 看板の種類
  • 看板の数
  • 各看板の縦・横・高さ
  • 表示面積
  • 設置位置
  • 現況写真
  • 完成イメージ
  • 意匠図・立面図・配置図
  • 土地・建物所有者の情報
  • 所有者承諾の有無
  • 設置予定日
  • 過去の許可証
  • 更新期限
  • 道路への突出の有無
  • 工作物確認の要否に関する資料

見積りを比較するときの確認ポイント

複数の行政書士に見積りを依頼する際は、金額の大小だけでなく、次の8点を確認すると比較しやすくなります。

  1. 自治体手数料が見積りに含まれているか
  2. 現地調査費が含まれているか
  3. 図面作成費が含まれているか
  4. 補正対応の範囲(何回まで、どこまでが無料か)
  5. 郵送費・交通費などの実費の扱い
  6. 道路占用許可等、他法令手続の費用の扱い
  7. 許可後の更新管理が含まれるか
  8. 追加料金が発生する条件

最安値だけで選ぶと、後から「これは別料金でした」という追加請求に驚くことになりかねません。業務範囲まで含めて比較することをおすすめします。

クロフネ行政書士事務所の費用案内

屋外広告物許可申請は、自治体、看板の種類・数、図面の有無、現地調査の必要性によって作業量が異なります。そのため、設置場所と看板仕様を確認したうえで、個別に見積りをご案内しています。

お見積りの際は、次の情報をお伺いできるとスムーズです。

  • 設置場所
  • 看板の種類
  • 看板の数
  • 寸法
  • 図面の有無
  • 新規・更新・変更の別
  • 希望時期

単発の許可申請だけでなく、複数店舗・全国案件・更新申請の一括管理についてもご相談いただけます。申請代行の総合的な依頼範囲や行政書士の選び方については屋外広告物申請代行とは?費用・依頼できる業務・行政書士の選び方で詳しく解説しています。

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よくある質問

屋外広告物許可申請の費用は全国共通ですか。

いいえ。屋外広告物法は全国共通の基本法ですが、実際の手数料・許可基準は自治体の条例で定められており、全国一律ではありません。

自治体手数料はいくらですか。

自治体、広告物の種類、面積、数によって異なります。例えば埼玉県条例適用地域では1㎡ごと350円、大阪市では5㎡ごと950円など、自治体間で計算方法自体が異なります。

行政書士報酬はいくらですか。

事務所ごとに報酬体系が異なり、案件の難易度・作業範囲によっても変動するため、全国一律の金額はありません。設置場所と看板仕様を確認したうえでの個別見積りが基本です。

看板が複数ある場合は費用が増えますか。

増える可能性があります。自治体手数料は看板ごとに加算される場合が多く、行政書士報酬も看板の数に応じて作業量が増えるためです。

更新申請にも手数料はかかりますか。

自治体によります。更新申請でも手数料が必要な場合と、届出のみで手数料が不要な場合があるため、管轄自治体への確認が必要です。

図面作成費は行政書士報酬に含まれますか。

事務所によって異なります。図面が不足している場合、別料金として扱われることが多いため、見積り時に含まれるかどうかを確認してください。

現地調査は必ず必要ですか。

案件によります。図面や写真が十分にそろっている場合は不要なこともありますが、設置状況の確認が必要な場合は現地調査費が別途発生することがあります。

道路占用許可の費用も含まれますか。

屋外広告物許可申請の手数料とは別制度のため、通常は別費用になります。突出看板等で道路上空を使用する場合は、事前に道路管理者への確認が必要です。

見積り後に追加費用が発生することはありますか。

あります。現地調査や図面作成が後から必要になった場合、大幅な補正が発生した場合などです。見積り時点で追加費用の発生条件を確認しておくことをおすすめします。

複数店舗をまとめて依頼できますか。

可能です。全国チェーンや複数拠点の案件では、自治体ごとの手数料に加え、一括管理や更新期限管理の費用も含めて検討することをおすすめします。

自分で申請すれば自治体手数料だけで済みますか。

自治体手数料のみで済みますが、その分の調査・書類作成・補正対応にかかる社内工数や人件費、手戻りのリスクは自社で負うことになります。

許可が下りなかった場合でも報酬はかかりますか。

契約内容によります。着手した業務(調査・書類作成等)に対する報酬が発生する契約が一般的ですが、事務所ごとに条件が異なるため契約前に確認してください。

まとめ

  • 費用は「自治体手数料」と「行政書士報酬」に分かれる
  • 図面作成費、現地調査費、点検費、道路占用許可等の他法令手続費は別費用になり得る
  • 自治体手数料は全国一律ではなく、条例ごとに計算方法・金額が異なる
  • 行政書士報酬は案件の難易度と作業範囲によって変わる
  • 正確な見積りには、設置場所と看板仕様の情報が必要
  • 見積り比較では、総額だけでなく業務範囲を確認する
  • 全国案件・複数案件では、一元管理による効率化も検討できる

申請の流れや必要書類を具体的に知りたい方は屋外広告物許可申請の流れと必要書類|看板業者向け完全ガイド、更新期限の管理に不安がある方は屋外広告物の更新申請を忘れるとどうなる?更新期限管理の実務ガイドをご覧ください。看板の仕様変更が発生した場合は屋外広告物変更届が必要なケース一覧|看板業者向け実務解説、そもそも誰が申請できるのかを確認したい方は屋外広告物許可申請は誰ができる?看板業者が知っておきたい最新ルールを参考にしてください。申請代行を経営面でどう活用するかは看板業者のための屋外広告物申請代行活用術、設置後に許可申請の必要性を指摘された場合の対応は看板設置後に許可申請が必要と言われたら?元請・下請が知るべき対応方法で解説しています。

屋外広告物許可申請の費用でご不明な点がありましたら、設置場所と看板仕様をお伺いしたうえで個別にご案内しますので、お気軽にお問い合わせください。

信頼できる情報源

深沢文敏

監修:深沢文敏(クロフネ行政書士事務所 代表)

行政書士・宅地建物取引士。プレナス(ほっともっと)、コシダカ(まねきねこ)にて店舗開発を担当し、累計100店舗超の出店に携わる。発注側で見積りを受け取る立場も経験してきたことから、屋外広告物許可申請の費用構造をどちらの視点からも説明できる行政書士として活動している。

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